家探しの迷宮3(購入と賃貸のはざまで)
今回は購入か?賃貸か?という悩みについてです。
そもそもブログに残そうと思ったのには理由があります。
Facebookに「家を探してるし、買うか借りるか迷ってる」とこぼしたら、
ブワーッと色んな人が色んな意見を述べてくださったんですね。
もちろん「絶対○○がいい」と熱烈に主張する方もいらっしゃる。
この光景って、何かに似てるなーと思ったら
恋愛、結婚、育児、資産形成、転職の話題への反応
に似ています。
個人の生き方であり正解が無いけれども、重い決断で、
多くの人が「自分の選択は正しかった!」とどうしても思いたがる、
政治や宗教よりも濃密に自己承認欲求と繋がっており、
病気のように生死に関わることではないから口に出しやすい。
だからこそ、「本音」だけじゃなく「建前」や「ちょっとした盛り」が入った、
ジャンクな情報も混在しているのだと思います。
みんなが正解を探す→情報が溢れる→お金になる
→余計ジャンクな情報が混ざる→等身大の正解がわからなくなる…
無限ループだ…!
そんな中で、色々検討して親身になってアドバイスをくれる人達の存在は、
心を定めるのにとても役立ち、今でもとても感謝しています。
どうせ、個人の感想とアフィリエイトだらけのジャンクな情報が多くて、
何を言っても反対意見の人がいるような状況であれば、
現在の自分の等身大の決断の過程を書いておけば、
後で見返したり、似たような境遇の人の役に立てるだろう…というのが、
この数回の記事を書いた理由です。
私は30代で、月収を抑え賞与で大きく調整するタイプの給与体系です。
住宅手当も特にありません。貯金も豊富ではないです。
このような条件の中での判断をつづろうと思います。
では、本題に戻って、「購入か?賃貸か?」の話。
住宅購入のタイミングはいつ来るのか?
「住宅購入」は30代の多くの単身者やDINKS(ご夫婦のみ世帯)の方の、大きな迷いどころです。
少子高齢化で家が余りはじめ、
住宅価格が安くなると思っていた方は多いのではないでしょうか?
私もその1人です。でも、現状そうじゃないですよね。
都内の新築マンション価格は去年あたりから高止まりしています。
- 東日本大震災以降の建築資材・人件費の高騰(回収には価格が上がる)
- 中国人の不動産投資熱の過熱(自国に不動産を持てないので海外で投資)
の2点だけでも、上がる要因としては充分だと考えています。
産経新聞なので少し偏りはあるとは思いますが、
シドニーに至っては投資の過熱で、もう普通の市民は家を買いづらい。
お金の話をするのがはばかられる日本人の文化と違い、
中国はお金を儲ける・物を得る話に良く言えばポジティブ、ある意味Greedyです。
その気持ちが国内に向けば良いのですが、
共産党体制のため不動産の所有はできません。受け皿がないのですよね。
そのため、2020年のオリンピック開催まで投資熱が続くだろうと判断しました。
最悪、オリンピック後も世界中の都市部の不動産は厳しいと思います。
不動産のお仕事をしている先輩の意見のアドバイスと共に、
上記のニュースも気になっていたため、
「買うのは今じゃない」「買うなら中国人に投資興味を持たれにくい場所がいい」
と結論を出しました。
中古がいいか?新築がいいか?
新築マンション、建物もきれいで、最新の設備がついていて素敵ですよね。
設備だけなら、リノベーション物件も多く中古でも構わないと思いました。
リノベーション物件を比較する際、気を付けたポイントがあります。
- 建築基準法の大きな改正年以降の物件か?(1971年、1981年、1995年、2000年)→特に1981年、2000年が分岐点ですが、1971年以降の中古物件には耐震基準を満たすケースも多いです。
- マンションの基礎部分(水道管やガス管など)の老朽化度合と改修スケジュールは?→実はオートロックや宅配ボックスといった外側より重要。
- 管理組合や自治会がしっかりしているか?→防災や大規模改修、ご近所トラブル解決に組織ができていることは大きな安心になります。
の3点。
実家が築年数の上がったマンションなのと、父が不動産の会社に勤めていたので、
どんなにおしゃれでも基礎部分の老朽化だけは無視できないと判断しました。
他にも大規模改修費用の積み立てがちゃんとあるかどうか?なども鑑みて、
中古物件は選びたいです。
住宅購入価格はいくらまで大丈夫か?
30代は社会的信用もバイタリティもあり、銀行はローンをしきりと勧めてくれますし、
不動産系のサイトのローンシュミレーターなどでは結構強気な金額がでます。
でも、結婚の可能性も海外転勤の可能性もあります。
年収も会社の業績によりけりですし、今の月収ベースでは大金は負担できません。
頭金無しでローンを組めても、手数料が数百万レベルでかかりますし、
頭金が10%以上あれば、ローン金利も有利になります。
それらを念頭に入れた上で
- 固定金利&20~30年以内返済で計算した金額(現職の定年までの年数)
- 10%の頭金が準備できる物件のスペック(間取りや立地)
を検証します。
「買いたい!」と思えば勇気を出してローンを組めばいいし、
私みたいに「見送る!」でも良いと思います。
1つだけ気を付けなければいけないのは、
万が一家賃が払えなくなった時の救済措置は「退去→より安い家賃の家へ」ですが、
住宅ローンが払えなくなった場合は、「競売」といって、資産を失うことです。
こういう強い口調の本が出ていますが、どんな一等地でも、タイミング良く貸す・売るのも大変です。
絶対買え!と言う著者の方の多くは私達30代とは価値観が少し違うため、盲信しないのも大切です。
買って得する都心の1LDK 借りるのは「負け組」 (毎日新聞出版)
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マンションは10年で買い替えなさい 人口減少時代の新・住宅すごろく (朝日新書)
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本当に、買うの?
最後は、個人の価値観の問題になります。
ここで、
前回のエントリーの
「クオリティ・オブ・ライフ」
に話が戻ります。
私は小さい頃から、湘南で育ちました。
海や山がすぐ近くにあって、程よく田舎で、お店もそろってて商店街もあって、
すごい便利な地域です。都内より、ちょっと空気が良い。
休日、のんびり海に自転車を走らせたり、
近くの公園のベンチで本を読んだり、
ちょっとおいしい紅茶を飲んだり、
お金では買えない価値があるな…と、
「あくまで自分の価値観」で思っています。
そう思った時に、先ほどの頭金と購入価格に立ち返ります。
確かに、都心は便利だし、通勤時間が減ると快適です。
けれども、
ローンを組む「終の棲家」に、
その街を選び、その住み方を選ぶのか?
は再度立ち返って決めた方が良いと思いました。
私は、都内に1LDKを買うお金で、鎌倉に新築が建つ…と知って、
一気に購入意欲が萎えました(笑)
長くなりましたが、
「賃貸」で通勤への利便性向上を重視し、
できるだけ治安が良いエリアを選ぶ。
という結論に今回は至りました。
家賃と平米数、間取りの問題は、一人暮らしであれば、
- 収納の量がある程度ある。(女性はクローゼットの幅が重要)
- ベッドがきちんと収まる間取り。(広くても妙な配置だと狭く使う羽目に)
- 20平米ギリギリでも、キッチンとの仕切りがあれば1KでもOK。
の3点に注意して選べば、
比較的快適に過ごせると思います。
不動産屋さんですが、
- 女性がふらっと入っても親切であること。
- その街の物件を多く持っていること。
- 知り合い(今回は父)の会社のそのエリアの担当支社
などを優先して調べると、安心です。
住みたい街に日中行って、上記の不動産屋さんに聞いてみるのは一番おすすめです。
…と色々と議論が分かれそうなポイントを、今の状況を踏まえて書いてみました。
あと2年したら状況も価値観も変わっているかもしれませんが、
家探しは、強い口調の言説やジャンク情報に左右されず、
自分が本当に大切に思うことを洗い出し、
優先順位をつけていく良い勉強でした。
今回の試行錯誤が、同じような迷いを持ってる方の参考になれば幸甚です。