本日も一服

ようこさんのログ用のブログです。 お茶と海辺と馬と温泉と。雑だけどていねいに見える日常を送っています。

マルチタスカーの苦悩とマイ・インターン

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国宝 阿修羅像 734年 <撮影:金井杜道 (c)興福寺>

阿修羅像のようになれたら…と思っていたら、
最近これにはPCが3台必要だということに気づきました。
体も一つなので同じ時間の別の打ち合わせには出られない。甘くなかった。
 
昨年4月に異動して以来、マルチタスク状態が続いています。
常時4~5種類の業務をパズルのように組み合わせながら進行します。
メインのWeb系業務は自分以外担当が今のところおらず、
2人で回しても溢れる規模の作業も一人コツコツやるのは我ながらよく持ってるなと思うことがあります。
その他3~4業務は他の人のサポート的な業務で依頼した締切までに動いてもらえないことも当然あるため、
最終締切前に一気に肩代わりしないと帳尻が合わない。こういう時は「ハッ!」って言って分身したい。
心無い言葉を浴びせられて殺意が湧いたら、これは、サスペンスのお時間。
アガサ・クリスティ作品を見て現実逃避し心を落ち着かせてます。
毒殺好きです。アガサさん。
クリームティと甘味が好きだったのも納得のトリックです。
私、名探偵ポワロの最後の手紙が好きすぎて死にそうです。
名探偵ポワロ ニュー・シーズン DVD-BOX 5

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シャーロック・ホームズも外せません。

小さい頃から、これと火曜サスペンス劇場を見ていました。

シャーロック・ホームズの冒険 全巻ブルーレイBOX [Blu-ray]

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 近年ではロバート・ダウニーJr.よりベネディクト・カンバーバッチ派です。

敵役のモリアーティ教授の俳優さんは007の『スペクター』で、

ジェームス・ボンドの上司Mと戦う敵役で出てくるのですが、

Mの役の俳優さんも『ハリー・ポッター』シリーズのラスボス、

「名前を呼んではいけないあの方」ことヴォルデモート卿役の方です。

dramanavi.net

英国作品が痺れるほど好きな私には胸熱展開過ぎて鼻血が出そうでした。

サムネイルで「君はクソだ」とかさすが。

モリアーティVSヴォルデモート…(*´Д`)ハァハァ


『007 スペクター』本編チラ見せ! レイフ・ファインズ×アンドリュー・スコット

話が盛大に脱線したところで元に戻りますと、
先月からさらに1つ新業務が加わりました。
ライフがゼロにならないよう、1分でも1秒でも惜しい。
秒針付腕時計も精神を病みそうで買ってない笑。
 
このブログで書かれていた、5分前の呼び出しとかもそうなのですが…
「アメリカ人との約束は、5分前に行ってはいけない」 正しい時間の守り方とは? - さようなら、憂鬱な木曜日
2016/02/14 22:44

日本人でも「頼むからその時間になってから声かけてー(涙)」と思います。

日本では「話しかけやすさもスキルだ」とか言われますが、頻繁に集中が途切れるため、業務量に応じて限度がある。

なので、約束の直前まで待って!…と。

実はマルチタスカー同士で話すと、全員に共通するのが、

「集中力が切れて切れてしょうがない上に常に何かに追われる」
という苦悩を抱えているということです。
 
マルチタスカーになる人は天才でも最強でもなく、自分から進んでなったわけではなく、気づいたらなっています。
他の人よりも処理能力的なキャパが多めで、
「建設的なこと=善である」と前に進める傾向が強いと都合がいい。
任せられると簡単に終わるものからちゃっちゃっと済ませて、
空いた時間で重くて中長期的な視野が必要なものをじっくり考える傾向があります。
テトリスが上手なだけだと思います。本当は早く帰りたいw
 
早く済ませられるということは諸刃の剣です。
色々任せて貰えて色んな仕事を覚えられる利点でもありますが、
ルーズな人たちからも「じゃああれもこれもあいつに投げれば早く終わるし前に進むでしょ?」的ノリで投げつけられることも増えます。
やられ過ぎるとじっくり考える暇が一切なくなるパターン。これは苦しい。

matome.naver.jp

このまとめみたいな風潮を見るたびに、悲しくなります。

これって、仕事ができるできない云々じゃなく視野の問題で、悩んだり考えたりする量は同じなのです。
 
サッカーに例えるのが一番わかりやすい。
フォワードではなく、ボランチセンターバックサイドバックな観点です。
攻めててもディフェンダーに近い。(ガンバ大阪遠藤保仁選手をイメージ)
 
まず、1本目のパスは受けた人が前進しながらボールを回せるようにした渾身のキラーパスを出すように頑張ります。
自分に戻ってもいいし、誰かにパスしてもいい形で渡します。
パス相手を待つ間に状況を見ながら同時並行を必死にこなします。
再び戻って来たらタスクを消し、新たなパスを出します。
 
こうなると、例えはサッカーですがテトリス蕎麦屋の出前のハイブリッドです。
ところが、これには大いなる問題がある。
都並敏史さんが中田英寿さんのパスを「俺じゃなくロベカルなら取れるパス」とボヤいたように、相手の状況とキャパを考えずに出したり、
「そもそもお前のパスは受け取りたくない」と思っている人に出したりして、
うまく取ってもらえないと詰みます。
だから相手をよく見て、受けやすい形にするよう加工をします。
だめだった場合、再びボール取りに行ったり、敵のカウンター攻撃をカットから始まる。
ドリブル突破に苦しむ人にボールが行ってロスタイムに戻って来ても詰みます。
自分で攻め込むしかなくなりシュート外したら何だよ感すごい。
前線のラインが下がってくると長距離を走ってボランチサイドバックがバテるのと同じように、フォワードやトップ下が得意な「一点突破の体力勝負」を挟まれると詰みます。
頭を使ってギリギリのパズルのように組み立ててるので、パスが上手く回らなかったり、投げつけられ過ぎて組み立てる暇すらなくなり、
体力勝負も求められてしまうと、体調もリズムも崩れるのです。
 
何より、えいや!と力ずくでやるうちに、得意だった長いスパンで物事を考える力が減り、判断や思考がものすごく浅くなるのは辛い。
本当にこの選択肢で良いのか?立ち止まって検証し、軌道修正することができず何かしらの形にやり遂げてしまうのです。
 
マルチタスクが溢れて私生活で一番辛いのは、
親しい人を大切にできない限界まで追いつめられるケースがあること。

マイ・インターンアン・ハサウェイさん演じるジュールズは、

会社が急拡大したために判断することが一人に集中し、マルチタスクに限度が来ている状態をよく描いています。

ここまでじゃないけど、一番大変な時に大事な人を失った経験があると、見てて、涙が出るくらい胸が痛みます。

限界な時に知らず知らずに自分勝手なモンスターになってしまい、

一番大切な人を大切にできず、友達との約束も守れず、時間は常に遅れ気味で、

そんな状態だと当然批判的な人も増え、

後々大事な人に迷惑がかかる形を選んだ身近な意地悪に対しても、

色々溢れてしまっている自分が後ろめたくて抵抗もできず苦しい状態になります。

ラストの方にジュールズが「I'm already un happy」と涙するシーンがあるのですが、

パンパンになってしまってどうにもならなくて、自分自身がこぼれ落ちます。

 

この場合は、ロバート・デ・ニーロさん演じるインターンの方もGJですが、

きちんと自分のやるべき部分を決め、

任せられる部下にどんどん権限移譲できる体制を作るしかない。

それができない限り、溢れ続けこぼれ落ち続けUn Happyなままなのです。

 

心が折れそうな時にこのBlu-rayを借りられて良かったなと思いました。

機会があれば見て損はないおすすめの1本です。

 

私の場合は忙しいと入眠できなくなってしまう体質でお医者さんに相談した際、

「マルチタスカーの苦悩を一つだけ救うものがある」といわれました。

それは「1人の時間を持つこと」

1週間に1時間でも、1日に2時間でも、10分でも、最悪1分でもいい。

相手は変わらないから、とにかく1人になる時間を持ちなさい…と。

 

そのため、今はたまに朝早く来たり、会議室に篭ったり、

2時間人と離れてじっくり考えたり処理する時間を持つようにしています。

身勝手だし、disられるケースもあるけど、
席にいると雪だるま式に仕事が増えて、集中力がブツブツ切れて、
大事な仕事に向き合えず、成果が上がらない状態にずっと悩む緊急事態では、
おすすめな方法だなと思います。
 
この「マルチタスクで時間がない中で大事なものに集中する」については、
今年はちゃんと考えていきたいなと思っています。この本は読んでみたい。
いつも「時間がない」あなたに:欠乏の行動経済学

いつも「時間がない」あなたに:欠乏の行動経済学

 

出来た時間でたっぷりミステリーを鑑賞し、

願わくばヨーロッパでオリエント急行に乗るようなツアーに行き、

あんなシーンやこんなシーンを脳内再生したいです。

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